値引きの理由を考える【福岡・建設業】
税理士の高島です。
建設業においては売上を重視している社長も多いいのですが、
売上から原価を引いた粗利益【売上総利益】の方が大切です。
売上は前期より増えたのに、赤字になった。
そんな会社を見てみると、原価が多くかかり、粗利益が減っているという
ケースが多くあります。
原価が多くかかったのか、売上について値下げ要求を受けたのか、
どちらなのか理由を特定しなければいけません。
今回は、値引きや値下げ要求されやすい下請け事業について考えてみたいと
思います。
「この値段で引き受けることができるか」
元請企業の現場監督や社長から値引き要求があったとします。
皆さまどうされますか?
「はい、大丈夫です」と即座に答えていませんか。
これでは自社の儲け(粗利益)がなくなってしまいます。
ぜひ
「これが限界です。利益がなくなってしまいます」
と一言言っていただきたいところなのです。
しかし、これが言えない、いうことに抵抗感がある理由が
一つあります。
それは、競争相手の存在です。
自社が値下げを断った場合に、他社がそれよりも低い価格でOKすることが
あるのではないかという恐れがあるからです。
値段とは、お客様と競争相手と自社の関係によって決まります。
だから簡単にNOと言えないのだと思うのです。
では、値下げ要求にこたえることが正解とはなりません。
やはり値下げ要求をされないような取り組みをしていく必要があります。
一つ目の対策は「商品力の強化」です。
もし自社しかできない工事であるや、自社に強みがある工事であれば、
競争相手と比較して、有利に価格設定をすることができます。
得意な工事を持つ!これは非常に重要です。
二つ目の対策は「営業力の強化」です。
もし、値段を強気に設定して、工事が他社に行ってしまった。
その場合に、新しく工事の受注ができれば問題ありません。
つまり営業に自信がある建設会社は、工事を選ぶことができるのです。
下請依存ならない対策をしていきましょう。
今回は、値引き対策について書きました。
1年間頑張った結果が赤字だったでは、この1年何だったんだという
ことになります。
小さな取り組みの積み重ねが1年を通すと大きな数字になっていきます。
ぜひ皆様も取り組みをして頂ければと思います。
令和2年6月27日 税理士 高島聖也